2017年09月29日

佐野元春「君を連れてゆく」


うおー!! 大好きな共演(配信音源買いました)がオフィシャルチャンネルにアップされていた! メモメモ。
ヒートウェイヴの山口洋が、それまで下らないと思っていた日本のポップスに初めて衝撃を受けた曲だという。山口は感激のあまり、佐野へ自身のプロデュースを依頼する。そして完成したのが、先日取り上げた「オリオンへの道」を含むアルバム『1995』だった。
穏やかな言葉、そしてサウンドで綴られる、あまりにもあたたかく、壮大な喪失と再生の物語。オリジナル音源では、ヴァン・モリソンのサポートで知られるオルガンプレーヤー、ジョージィ・フェイムが演奏に参加しているという(山口がこの曲を知ったのはその関係だとか)。この曲のリリースから数年で阪神淡路大震災、そして地下鉄サリン事件が発生し、音楽はさらに大きな意味を抱くことになった。
<家を失くしてしまった/お金を失くしてしまった/暇を失くしてしまった/少しだけ賢くなった>
空をゆるやかに滑る鳥が、何度も大きな輪を描いてゆくような楽曲だ。にんげん、が、様々な煩悩や意味すらも濯ぎ落として、ただ透明な肉体と共にまるで小さな草木のひとつとして数えられるようになったならば、きっとさらに世界を、美しく、肯定的に見渡すことが出来るようになるのだろう。それを、間違いなく信じている音楽だと思う。
この一種の……他に言葉がなくてもどかしいが……円熟した、そんな音像が本当に素晴らしい。後半にいくと、さらに温度を増していくグルーヴもたまらない。大好きな曲だ。
佐野と山口はその後も、この曲を通じて共演している。互いの焼けたヴォーカルが音楽の水の中に溶けて、景色を描き出しながら広がってゆくみたいだ。希望も、絶望も、すべては幻覚だけれど、それでも何か未来を信じる力を見失いそうになった時に、忘れることなくまた見直したいライブ映像。

<ついてきてくれるね? お願いさ>

posted by yunumata at 16:04| 音楽の走り書き

クラムボン『モメント e.p. 2』

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まるでOASISみたいな超巨大スケールの(意外すぎる!)「蒼海」で幕を開ける、クラムボンの『モメント e.p. 2』。前回は1曲だけだったストリングス隊が、今作では半分以上の曲で動員されていて、今mitoがやりたいのであろうその“感じ”がよく伝わった。それもあって、前回よりもややポップ寄りに聴こえたe.p.だった。「レーゾンデートル」はバンドアレンジでもストリングス隊入りでもきっとライブで盛り上がるし、「flee」では一転して冷たいストーリーの中にダイヴさせてくれて、とても気持ちいい。高校のころの、重かった時期のことを思い出した……とても好きな曲。
でも白眉は、やはり「タイムライン」だろう。大名曲「Slight Slight」に連なる、さらに穏やかで、胸が掻き毟られるような「泣かせ」の風景。別ジャンルだけれど、村本咲の『夜ごはんの時刻』を思い出した……。完全に新しい曲ではない。けれどクラムボンのある一面に――求めるような、日々の隙間のきらきら、刹那さ、光と影の普遍性、そして「今っぽさ」――が、想像以上の高い次元で融合していて、それでいてシンプルなメロディと、やさしく平易な言葉で歌詞が紡がれていて、もう……。



<「今 空 すごいよ」>という歌詞には、特にしてやられたような気持ちだ。本当に、「やられてしまった!」って感じ。これ以上に、このテーマを描き出せるフレーズが存在するだろうか……。

<いつどこでなにが起きるか わからない世界の果て/パラレルに日々はつづく つづける を つづけてゆく/広がるこの空の下 わたしもここにいるんだって思った>



「タイムライン」の、あまりにも素晴らしいMVは、TYMOTEの(で合ってるかな?)森田仁志と橋本新によるもの。バッチリですよね。実に、実に、アニメーションの出番だと思う。

<歌がききたいの ささやかにゆれる/歌がききたいの それぞれのタイムライン>
posted by yunumata at 13:44| 音楽の走り書き

空気公団 『Anthology Live vol.2【2005〜2009】』空気公団×クラムボン 9月28日 (木) 渋谷CLUB QUATTRO

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クラムボンが『LOVER ALBUM 2』で空気公団の「呼び声」をカヴァーしたと知った時、「あぁ!そういえば!」と思った。キャリア的にもほぼ一緒で、基本的にギターレスで、メンバーも同じ3人(空気公団の初期は違うけど……)。そして音楽性もそれほど隔たりがあるわけではない。逆に、ちょっと似ているからこそ距離を取ってしまう所があるのかもな、と思えなくもないわけで。その中での「呼び声」カヴァーは、完成度も素晴らしかったし、何かしらの互いのリスペクトを感じさせるものがあって、なんだか嬉しく思えたのだ。
だから、今回の(実は史上初という)対バンは、すぐに行くことを決めたのだ。クアトロはいつ以来だ……andymoriとフラカンの対バン以来……?
2016年マイベストソング「Slight Slight」から幕を開けたクラムボンのライブはやっぱり素晴らしくて、圧倒的なパフォーマンスを見せた「Re-雨」、もはや「バイタルサイン」を越えつつある「yet」、そして最新曲「タイムライン」まで全てが抜群だった。そして“早くも”山崎ゆかりを呼び込み、山崎をメインヴォーカルに「呼び声」をセッション。しかも後ろでコーラスしたのが、今回のアンソロジー・ライブのサポートに入っているザ・なつやすみバンドの中川理沙(Enjoy Music Clubの「エンジョイスーパーライブ」以来だ!)という豪華さ。山崎のヴォーカルに原田のコーラスが重なった途端、全身の毛が逆立った。うわ、これ、やばい。想像をはるかに、はるかに上回るほどのマッチ具合だった。単に「合っている」を通り越している。ビビッときたから、もう結婚しちゃいましょうよ! くらいだった。どうしてこれまで一緒にライブをしてこなかったのだろう。20年経って、ようやく運命の人とめぐり逢った瞬間に立ち会ってしまったようだった。大袈裟に書いている……けれど、でも本当に、そんなことを考えてしまうような奇跡的なセッションだった。
空気公団は、実はまだ聴いていないアルバムが半分くらい残っていて、(今はやりの)アンソロジー・ライブで範囲になっていた「2005年〜2009年」だとアルバム『メロディ』を聴けないままでの参戦だった。けれど、まぁ、空気公団なら何を聞いたって幸せかなァ、と思ったらやっぱりその通りだった! キーボードの中川が最初ちょっと緊張していたけれど、一番聴きたかった「青い花」もサラッとした披露だったがしっかり味わえたし、大好きな「悲しみ知らん顔」も素晴らしいパフォーマンスで聴くことが出来た。「素敵なもしも」もとても気に入ったし(これは『メロディ』収録曲)、「カレンダー」のバンドアンサンブルも最高で、自然に体が動いた。「白いリボン」のクライマックス感もとても良かった。あぁ、チケット取って本当に良かった。空気公団、MCだけなんか微妙だったけどネ……。
アンコールは<空気ムボン>で「旅をしませんか」。実はクラムボンと山崎ゆかりは、デビュー前に同じ音楽専門学校に通っていて、原田と山崎に至っては学生寮で同じ釜の飯を食った仲だったという。互いに照れた様子で、けれど嬉しくて仕方がない、といった感じ。本当に<空気ムボン>の「“初”ライブ」を目撃出来てしまったのではないだろうか。スーパーバンド誕生の瞬間に僕は立ち会えたんだと思う。幸せです。
ライブ前に入ったラーメン屋で、偶然ミトさんとすれ違った。一言だけ「これから見ます!」と話しかけたら、恐縮しきりといった感じで返して下さって嬉しかった。


以下、セットリスト(空気公団のほうはネットから拾いました……!)

クラムボン
1.Slight Slight
2.はなれ ばなれ
3.Re-雨 ※
4.yet
5.タイムライン
6.呼び声(+山崎ゆかり、中川理沙)

空気公団
1.おはよう今日の日
2.素敵なもしも
3.28日の大通り
4.出発
5.青い花
6.暮らし
7.メロディ
8.カレンダー
9.あざやか
10.悲しみ知らん顔
11.白いリボン

En.旅をしませんか(+クラムボン)

※「Re-雨」は『Re-clammbon 2』のよりもノイズっぽい激しいアレンジだったので、「Re-Re-雨」だったのかも。
posted by yunumata at 11:23| 音楽の走り書き
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